原産地を声高に謳うこと

3月ももう下旬。1月は征く2月は逃げる3月は去るなんて言いますが、本当にあっという間です。
もう今年の25%が消費されるのだと思うとぞっとします。

さてはて、このブログも2009年からだらだら書いていますが、あまりにもどうでも良い内容が多すぎて実は大して売上には寄与していません(飲食店の頃はまだしも)。
マーケティングやってる人とか、SEOがどうとか言ってくる人々からは、

「一個人の日常なんてSNSででも呟いていてください! お店のブログにはお店のことだけ書いていればいいんです!!」

とか、

「お店と関係ないことは書かないでください! テーマが統一されてないとSEO的に良くありません!」

などと口酸っぱく言われるのですが、そんなこと考えすぎたせいでブログからずいぶん遠のいていたので、どうせ売上から遠いところにいるんだし、元通り日記にしてやるかと思い至った次第です。

それに、そんなことばかり言ってるもんだから最近読み物として面白いブログが少なくなって、アクセス数目当ての判で押したようなアフィリエイトブログばかり増えているんだと個人的には思っています。(このブログの広告収入なんて年間数百円ですのでお見逃しください)。

ちなみにSNSではブログ以上に脳内垂れ流しの文章書いてますが、冗長な文章しか書けないので140文字で収めるのは結構面倒くさいんです。

食材の原産地を謳うこと

前置きも終わったところで本題です。

時は、先日の鯛めしテレビ放送前の電話打合せ。
先方(制作会社さん)はやっぱり視聴者受けの良いものを作らねばならないので色々聞いてくるわけです。
「鯛はやっぱり明石の鯛ですか?」とかね。

明石の鯛のこともありますが淡路島産の方が多いです。 と答えれば、

「明石じゃなくて淡路の鯛を使うのは”地元の人のみぞ知る”という表現にしても大丈夫ですか?」 と聞いてくる。
(そんな戯言放送されたら明石漁協に恨まれるんで絶対にやめてくださいと厳重抗議しておきました)

そもそも明石と淡路なら漁場ほぼ同じだろと思うのですが、名前が通ってるのはやっぱり明石の鯛ですし。

一般のお客さんにも聞かれることのある質問ですので、別にこの制作さんが悪いというつもりは毛頭ないのですが、個人的には、この原産地を前面に出すのがあまり好きじゃないんですよ。

古い飲食店で働いていた期間が長かったせいだと思うのですが、昔は食材の出自は隠すのが割と一般的でした。

自分で美味い食材を見つけてきたら近隣のライバル店にばれないように仕入れる→売る→あの店の○○は美味いぞ! と評判になる。 といった具合で。

飲食店がひしめきあう繁華街では、仕入先をつきとめようとライバル店のごみ箱漁って納品書さがしてる人とかいましたしね。これは他業種でも聞く話ですが。

食材のブランド化によって生産者の方々が潤うのは良いことですし、産地偽装問題もありますので、生産地明示が望ましいことに異議はないです。

しかし逆にブランド化したことによって産地偽装して高く売りさばく不逞な輩もいるわけですし(神戸牛偽装とか)、産地に偏重しすぎるな、調理者は食材のネームバリューに頼りすぎるな、と思ってしまうのです。

当店はインターネット通販という環境で営業しており、街場の飲食店とは少し違う立場にいるのですが、願わくば、食材の特殊性や産地名ではなく、当店に対する信頼だけで買っていただけるようなお店になりたいものです。


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