毎日毎日見ている「悠里」という漢字。
悠という字は、悠久の歴史とか悠遠の地などに使うので、「果てしなく遠い距離 または時間的広がり」といった感じの意味だろうとあまり深く考えずに漠然と認識していました。
しかし、よくよく考えてみれば悠の部首は「心」(したごころ)です。 ということは、そもそもの意味は心に関することなのでしょうか?
そんな訳で記事タイトルのままなのですが、悠里という店名の割に悠の字をよく知らなかったので ささっと調べてみました。
お取り寄せ部 悠里の名前の由来
ちなみに当店の名前「悠里」の由来ですが、これは母体である和食店「地魚と旬菜ゆうり」を開業した際にあった初期案からきています。
「里」は距離の単位としての意味(母をたずねて三千里・千里の道も一歩から の「里」)で、 ざっくり言うと、どこまでも進化していける店にしよう という意味合いが込められています。
では本題に進みます
悠という字は、攸の心
今回初めて知ったのですが攸という字があるそうですね。
神社の御札などで「祈攸(きゆう)」(≒祈願)という使い方をするそうです。
「攸」という字は、人の背に水をかけて身を清める禊(みそぎ)の様子。
にんべん は人、真ん中の縦線が背中を細く流れる水、右の部分は水をかけている手 を表しているそうです。
身を清め心を鎮めることから、「ゆったりとした・落ち着く・長く続く」などの意味となり、それに心がついて悠になって 「不安の無い・ゆったりとした・(長く続く + 心 =)遠い・ずっと・遥か」などの意味となったようです。 悠々自適、悠然、悠久、たしかにどれもそんな感じの言葉です。
人名としての悠
人名読みとしては、 ゆう・ゆ・はるか・はる・ひさ・ちか だそうです。
私の同級生に悠(はるか)さん居ましたし、当店と同じ悠里さん(ゆうり・ゆり)さんにも会ったことがあります。悠斗(はると)君もいました。 『ちか と ひさ は知らないなぁ。。』と思っていましたら、悠仁親王のことを急に思い出しました。あぶないあぶない。
ゆっくり・ゆったり 、 落ち着いた 、 不安の無い 、長く続く そんな意味を持った漢字なので、名づけには良いと思います(個人の感想です)。 私もこの字が気に入っているから店名に使っているわけですし。
悠 ゆう Yuu
本来の趣旨からは外れるのですが、なにしろ店名にしている悠の字ですので思い入れも深く、名前の面からもう少しだけ続きます。
ゆう
店名を決めたのは悠里の字のもつ意味だけではなく、見た目や音にもありました。 平仮名で縦書きするときにいつも思うのですが、「ゆ」も「う」も丸みをもった柳腰の柔らかい印象を与える文字です。 和食店は結局平仮名の「ゆうり」にしたわけですが、却って優しい穏やかな印象が出てよかったかなと、いつも思います。
yuu
語感や音の響きですが、y音から始まる言葉(や・ゆ・よ)は 優雅 おっとり 洗練された美しさ 安定 落ち着き などの印象を与えます。
漢字としての「悠」も、かな文字の「ゆう」も語感もどれからも、ゆったりした優しい印象を受けます。 改めてこうして調べてみて、我ながら悠里という店名にして良かったなと思います。
あとは私自身がこの名に負けないように、穏やかな人間になれるよう、日頃の所作に気をつけたいと思います。(それが一番むずかしい)
ではまた。