脂のないフグの美味しさは筆舌に尽くしがたいという話

朝晩と寒さを感じるようになり、日中はまだしも半袖では厳しくなってきました。
私、小学生の頃は一年中半袖で過ごしていたのですが今思うと信じられません。
子供のときは見えない防寒機能でもついているのでしょうか
体温は今も昔も変わらないのですが。

 

寒いと増えるのが鍋セットのご注文。
今年は珍しくぶりしゃぶよりも先にてっちり鍋が売れ始めましたのでフグの話でも。

 

 

言いようのない河豚のうま味

とらふぐ

そういえば先日「てっちり」という言葉が一般的ではないという話を書きましたが、河豚の集積地である下関でも「ふぐ鍋」の方が多く使われているそうです。
「てっちり」はやはり関西圏を中心とした言葉なのでしょうかね。

 

 

脂がない

今回はフグそのものの話ですが、ふぐの大きな特徴としては脂肪分がほとんど無いということ。
体脂肪率は実に1%以下です。

 

ブリしゃぶなどは対極にあって、やはり脂がのっている方が喜ばれます。
うなぎもそうですね。脂がのってない鰻はあまり喜ばれないでしょう。

 

 

日本人の味覚には脂の甘みが美味しいと認識されます。最近なにかで安い肉に和牛の牛脂を練り込んで美味しくする なんてのを見ましたが、同じ理屈ですね。

 

 

そこにきて脂肪のない河豚。

 

 

脂がないというハンデがあるわけですが実に美味しいです。甘みに頼らない、魚そのものの旨味でこれだけの味が出る食材は魚に限らなくてもそうそうないのではないでしょうか。

 

うまい説明が思いつかなかったので当店の公式ショップでは「玄妙なうま味」という言葉でごまかしてますが、本当に例えようのない深く濃厚なうま味です。

 

明治以前まで多くの死者を出しながらも日本人が食べ続けてきたのも、この旨味に逆らえなかったからでしょうか。毒にあたるかも知れないのに食べるってのはなかなかの罰ゲームだと思うのですが。

 

 

美味しい河豚には熟成が必要

うま味の元になるアミノ酸はタンパク質が分解されてできるものなので、ある程度の大きさのある魚は寝かせておく時間が必要です。

特にフグなんて脂がないので捌きたての河豚だと全く美味しくありません。以前、試しにさばき立てのフグを食べてみましたが無味無臭でゴムをかんでる食感です。
びっくりするぐらい美味しくないので機会があれば挑んでみてください。

 

 

当店ではだいたい1.2kg前後のトラフグを使うので、さばいてから20〜50時間ぐらいが食べ頃ではないかなと思います。
鍋だけの話ではなく、ふぐ刺し(てっさ)にするにしても半日〜1日は寝かさないと美味しいものではないです。

 

 

通販でお送りする場合はさばいてからすぐに発送してもお召しあがりいただけるのは最短で24時間は経っていますからちょうどいい頃合いです。

言葉では上手く説明できないものですから、フグの美味しさ、ぜひ一度はお試しくださいませ

 

・ふぐ鍋 一覧

 

海豚と河豚

最後は本文にあまり関係ありません。

 

海にいるフグに河の字が使われているのは日本にはすでに海豚(イルカ)という漢字が日本にあったから、という話は前にもしましたが、イルカは河豚をボールのように鼻で小突いて遊ぶらしいです。
フグは防御や威嚇の為にまんまるに膨れますからね。

 

小突かれたときにフグから滲みでる毒にあたるとイルカは酔ったような感じになるそう。
酩酊状態を楽しむためにフグをボールにして遊んでいるあたりイルカは哺乳類なんだなぁと思いますが、漢字で書くと海の豚が河の豚を弄んでいるわけで豚の序列みたいなものを感じます。陸の豚はどこに入るんでしょう

 

蛇足でした。

 

ではでは。

 

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