この三日間は熊本および周辺で続く大地震の報道ばかり。
”4月14日 熊本で震度7”の被害詳細を聞いたときは、「揺れの割に被害が少なそうで良かった・・」と少し安心していたのですが、まさかあれが前震で2日遅れで本揺れが来るとは思っても居ませんでした。
被害の様子を見ていると、嫌でも阪神大震災の日のことを思い出してしまいます。まだまだ余震が続く中での救助活動となるでしょうが、阪神大震災・東日本大震災で得た教訓を活かし、スムーズな救助・迅速な支援体制が整うことを願うばかりです。
タイトルの通り、今回は「いか塩辛」の話です。
普段メインでご注文を受ける商品ではないのですが、この数日連続して「塩辛だけ」のご注文が続き始めたのでご紹介しておこうと思います。
減塩仕込みのいかの塩辛
塩辛に限らず、悠里でご用意している商品の調理法は伝統的な手法に則ったものばかりです。
商品としてご用意するよりも以前、初めてつくった塩辛は漁師さんに教えていただいた伝統的な塩辛。
するめいかを買ってきて、仕込んで日をおいて発酵させて見た目もいい感じに。いざ実食!
「辛っっ!」
もう本当に塩辛い。
塩がそんなに苦手なわけではない、むしろ塩味好きな私ですが、辛くてこれは無理。
たしかに本来の塩辛は保存食ですので、魚介類についている細菌(腸炎ビブリオ等)などを活動停止させ、常温での保存性をもたせる為には10%以上の塩分濃度が必要です。
するめいかが100gだとすると、最低でも11gちょっとの塩を入れる計算です。
実際、市販されている塩辛でも塩分10%以下のものが多いです。その代わりに調味料や保存料を添加して味付け・保存性をもたせているわけです。
話を戻しまして、辛すぎる塩辛は個人的に美味しいと思えないのでとりあえず減塩、試食。また減塩また試食。を繰り返し現在の塩分濃度に決まりました。濃度は内緒ですが、相当低いです。
塩が少ないと旨味が出にくい
塩辛の旨味は熟成により生成されるアミノ酸からきていますが、塩分が低いと細菌が邪魔をして熟成が進みません。つまり味が出ません。(だから市販品は調味料を添加する必要があります。)
しかし当店は家内制手工業の個人経営ですから手間だけはかけられます(お金はかけられません)。あれやこれやと試しまして、結果、調味料を添加することなく現在の味に仕上げています。原材料は「するめいか・塩 以上」です。
保存性だけは無理。必ず冷蔵庫で保管してお早めにお召し上がりください
どんなに努力しても、減塩仕込みで保存性の高い塩辛は作れません。こればかりは無理です。
必ず冷蔵庫内で保管し、たまに箸でぐるぐる瓶内を混ぜていただき、お早めにお召し上がりください。
保存料が入っている市販品の塩辛ですら、常温保存していた故に食中毒を起こしたケースが報告されています(塩分は4〜5%ほどだったそうです)。
これから気温が上がっていくにつれて塩辛にいただくご注文数も増えていくと思います。
しつこいようですが、自分が作ったものでお体を悪くされたりしていただきたくありませんのでもう1度書きます。
いかの塩辛をお買い上げいただいた皆様につきましては、必ず冷蔵庫に入れておいていただくよう、強くお願い申し上げます。
ではでは、また。