2020年の干支は庚子(かのえ・ね)

庚子(かのえね)


最近は「よいお年を」ばかり言っている気がする私です。もうあと4日ですよ。いつもに増してあっという間の1年でした。

「ゆうり」という店は現在無いんですが、このブログ10年書いてきたせいか毎日地味にアクセスありますし、もしかしたら急に店再開しまーすとか言い出すかもしれない(今の所その予兆はありません)ので、私のどうでもいい日記書く用のブログとして残しておこうと思います。約900記事ありますし消すのも勿体ないですしねぇ。

今回は、年賀状準備しなきゃなーと思いながら考えていた話です。

庚子が示す年

来年、2020年の干支は庚子(かのえね)。

個人的に、干支って古代中国の宇宙観が凝縮された優れた発明品だよなと思っています。しかも、それを市井に広めるためにイメージしやすい動物をあてたところなんて本当すごい。そのおかげで2020年の現代日本まで十二支は一般常識レベルで使われているわけですから。

和食店ゆうり時代に「日本料理と陰陽五行思想は密接な関係があるし基礎だけでも知っておくか」というのが発端で干支についてもかるく本で読んだわけなのですが、大したシステムだなぁと感心するばかりです。

十干・十二支

過去に何度か書いた気もしますが干支の簡単なおさらい。

十干の干と十二支の支で干支。読みはえと。
干・支は木の幹と枝みたいなもので、十干 = カテゴリー 、十二支 = 詳細設定 みたいな捉え方で良いと思います。

十干には「木火土金水」の五行の陰と陽がそれぞれ割り当てられています。

陽と陰を昔の日本では兄(え)と弟(と)で表したので、十干の甲乙丙丁・・を木の兄(きのえ)・木の弟(きのと)・火の兄(ひのえ)・火の弟(ひのと)・・・と読みます。現在の「えと」って読むのも兄弟から来てます。

甲乙丙丁、がそれぞれ「発芽」・「ひょろひょろ伸びる芽」、「芽が地表に出る」、「葉を広げ一気に生長」の象形から来ているように、十干は植物の誕生・繁茂・結実・朽ちて種子を残す までのストーリーです。

で、2020年は庚(かのえ 金の兄)ですが十干としては7番目。6番目までに誕生・成長・全盛期ときて庚でフェーズが変わります。
庚の漢字としては「植物が生長を止め新たな形に姿を変えようとする状態」(漢語林だったかな)。

これまで自己の成長だったのが、生命のサイクルをつなぐために次の代にバトンを渡す(実をつけ種子を作る)準備に入ります。
ちなみに五行の「金」ってのはお金じゃなくて金属の金。鉱物の方です。土の中で長い時間をかけて結晶化したもの。結実を示します。

夏に生い茂っていた草木がいきなり9月に枯れるわけじゃないのと同じで、いきなり変化するわけではありません。ここから癸(みずのと)までゆっくりと新旧交代していきます。
人の世でいえば6年間の行いが形になって落ち着きを見せ、ここから4年かけて次の代に移行する段階です。

古代中国の宇宙観では未来は過去の結果生じるものではなく、予め決められている未来が予定通りやってくるものです。ですから、好むと好まざるに関わらずそういう時代変遷をしていくでしょう。書きながら宗教チックだなと思いましたが、どちらかと言うと統計学だと思っています。

言わずとしれた十二支の1番目。
十二支も十干同様に生命のライフサイクルを表します。子の成り立ちはそのまま子供。乳児がだぁだぁ言いながら両手を伸ばしてる様子です。

最近たまに見かける「子という漢字は一から了までを表す」云々を辞書や書籍で見たことないのであれは多分俗説です。
子にはねずみが当てられていますが、ネズミは子沢山、繁栄の象徴です。

十二支にも五行・陰陽の属性があてられており、子は水(陽)。
金(庚)と水は相生(相性良い)の関係にあるので、ここしばらくの激動も2020年には一段落し、新生活・新事業・新築などは良いスタートを切れる年になりそうです。私もなにか新しいことしよかな。

極小から極大へ

干支は年だけじゃなくて月・日にも使われます。
年でいえば60年で干支が一巡しますが、月は5年(60ヶ月)、日は60日で一巡しています。

干支を60刻みの歯車とすると、小さな歯車(日)は回りながら中ぐらいの歯車(月)を回し、中ぐらいの歯車も回りながら大きな歯車(年)を回していることになります。いや当たり前の話なんですけどね。当たり前なんですけど、この輪になった宇宙観が私としてはすごくしっくりくるというか。
惑星もぐるぐる公転してますし、輪を描く軌道ってのは一番安定する形なのかもなぁなどと思ったりします。

さて。困ったことにどうやってこの駄文を締めくくればいいのか一向に思いつきませんので無理矢理終わります。
皆様、良いお年をお迎えください。

では。


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