三寒四温、少しずつ暖かな日が増えてきました。
お受けするご注文も冬のぶりしゃぶ鍋に混じって、春の鯛しゃぶ鍋が増えてくるようになりました。
全国的に人気も知名度も高いぶりしゃぶ鍋と比べると鯛しゃぶはそこまで人気というわけでもないので、こうして各地のお客様からご注文いただけるのは有り難い限りです。
春の鯛しゃぶ鍋セット
ほとんど全ての料理人がそうであると思いますが、新しい料理を考えるときは何らかのテーマというのか表現したいものがあります。
和食の場合は四季を表現することが基本にあり、その奥に自分の考えや感情を込めると思います。
テーマは力強さ
鯛しゃぶ鍋に込めたテーマは「力強さ」です。
地面の下から突き上げてくるように芽をのばす種子。日に日に大きくなる花のつぼみ。動き始める昆虫や動物たち。
私が春に思うのは、暖かくほのぼのとした気候の下にある死にものぐるいとも言える生命の力強さです。
見た目に派手な強さではなく、じわじわと差し迫ってくるような底深い強さ。
そんなことを思いながら仕上げたのが春の鯛しゃぶ鍋です。
春の鍋セットは鯛とわかめ
ちょうど早春のこの時期はワカメ漁が盛んですので、しっかりした磯の風味漂うわかめを鍋の実に。
海草は主張も強いので、味付けはシンプルに昆布だしで。
鍋に合わせるのは胡麻ダレをあわせたポン酢。ゴマの香りとポン酢の酸味が磯の香りによく合います。
地域によって時期は前後しますが、4月も上旬を過ぎるとわかめはしっかりと育ち、葉が厚く硬くなります。
そうなってしまうと、もう鍋に合わせるには向きませんのでこの鯛しゃぶ鍋セットも終了となります。
1ヶ月少々の短い季節商品ですので、お気になられた方は是非お早めにご注文くださいませ。
ではまた
